小田急線成城学園前駅の北西、徒歩7分。整然とした成城学園の住宅街の中にある。(財)労務行政研究所理事長の猪股猛氏の邸宅だったところで、猪俣氏から寄贈を受けて世田谷区が区立の施設として平成11年(1999年)に一般公開した。 主屋は建築家吉田五十八による設計の数寄屋造りで、「吉田流」とも評される趣きのある和風建築の美しさが随所にみられる。廊下でつながって入るが離れのような茶室やあとで増築した洋間なども含めて間取りは複雑で建物は広がりがあり、坪庭が2箇所にある。各部屋からはスギゴケや樹木を配した日本庭園を望むことができる。 「猪俣庭園」という名称だが、庭園はそれほどの広さはなく、むしろ邸宅のほうが見ごたえがある。