PORTAL TOKYO
  デル株式会社


 

科学者の眼(35)
スマートフォンが流行る理由(わけ)

  安村 通晃 慶應義塾大学環境情報学部教授

 9月21日にiPhone5が日本でも発売され、予約分で売り切れてしまったとか、盗難騒ぎまであったとか、スマートフォンが非常にもてはやされている。携帯電話の販売店に行っても、新発売の多くがiPhoneやアンドロイド等のスマートフォンで、昔ながらの携帯(=俗に言う、ガラパゴスケータイ)は、新機種では数が少ない。
  現在、日本でのスマートフォンの普及率は2割程度だが、2016年(今から4年後)には、5割程度になるという予測もある。なぜ、スマートフォンはこれほど人気があるのだろうか?
  まず第1に、従来携帯に比べて、スマートフォンはよりコンピュータに近い、ということが挙げられる。ガラパゴスケータイが携帯独自の仕様や規格だったのが、スマートフォンでは、アプリ等が大きくコンピュータ寄りになっていることである。しかも、そのアプリの種類も今までの携帯に比べ、はるかに多い。メールやWeb検索等では、パソコンがなくても間に合う場合が少なくない。
  また、その操作感も、フリック操作(指を素早く動かす操作)など、感覚的で身体的な操作が多い。従来のボタン操作のインタフェースから、タッチ式のインタフェースへと大きく変わり、操作感が非常によい。文字の拡大・縮小も簡単なので、高齢者にも支持されている。
  さらに、加速度センサー、GPS、マイクなどのセンサー類が標準装備されており、地図アプリや特にゲームアプリなどで、豊富なアプリケーションが利用できる。
  画像の画質がよいことも、特徴として挙げられる。写真で撮った画像も動画もきれいだ。また、パソコン並みの機能があってしかも価格も5万円前後と、パソコンに比べはるかに安い。
  いいことずくめのようだが、欠点もある。まず、パケット(データ通信の単位)が従来の携帯に比べて、はるかに多いので、通信費もそれなりにかかる。
  さらに、通常、入力は画面にタッチすることで行う。そのため、仮想キーボードのようなものを開いて使うことが多い。つまり、物理的なキーボードが付いてないため、キー入力が多いような利用の仕方では、パソコンに比べて入力時間がかかる。
  また、電池の消耗が早く、使い方によっては、1日持たないこともある。バックアップ用のバッテリーを用意する場合もあるくらいだ。
  このように欠点もあるスマートフォンだが、iPhone、アンドロイドの性能競争、価格競争はまだまだ続きそうである。ここしばらくは、スマートフォンの売れ行きは落ちないだろう。

「科学者の眼」indexページ
Copyright©2012 PortalTokyo.Inc. All rights reserved.