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科学者の眼(11)
人工物の生態学

  安村 通晃 慶應義塾大学環境情報学部教授


  生態学(エコロジー)とは、生物と環境との間のインタラクション(相 互作用)を扱う学問である。最近の、人工物を眺めていると生物と同じ ような生態学的振る舞いをしていることに気づく。
  たとえば、NASAが発表した地球の夜景の写真(下図参照)。 雲を除去してあるとか、世界中が一度に夜になっているなど、加工してある部分もあるが、この夜景を宇宙から眺めたら、どんな感じがするだろうか。また、地球外からきたETは、どんな風にこれを眺めるのだろうか。北米、ヨーロッパ、日本などは明るい。中国やインドも意外に明るいことに気づく。明るい部分と暗い部分の違いがどうして生まれるのか、考えてみると面白い。
  また、目には見えないけど、携帯電話は、親局を求めてときどき電波を発信している。子どもが親の場所を確かめているみたいだ。親の姿が見えなくなると(つまり、基地局が近くに無いと)、頻繁に電波を出して親を探しまわる。ヒトや動物の子どもとそっくりだ。
  木の切り株から方角が分かると言うのは俗説のようであるが、 ひまわりは東向きが多いというのは確かのようだ。実は、BS放送を受信するアンテナも、南西方向のほぼ一定な方向を向いていることから、南がどちらかBSアンテナだけでほぼ分かる。これは、BSの衛星が東経110°のところに静止している(かのように地球と相対的に回っている)からである。ちょっと昔のBSアンテナはもう少し南向きだが、最近のBSデジタル/CSのアンテナは一斉に南西(東京では方位角224.4°)を向いているのは、まるで人工のひまわりのようだ。


図: http://earthobservatory.nasa.gov/Newsroom/NewImages/images.php3?img_id=4333

 

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