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科学者の眼(24)
位置情報を利用してよいですか?

  徳田 雄洋 東京工業大学大学院教授


 携帯電話や携帯音楽プレーヤの応用ソフトを起動した瞬間、いきなり「あなたの位置情報を利用してよいですか?」と聞かれることがある。回答は2者択一で「許可する」か「許可しない」かのどちらか一つである。

 「許可する」にすると自分の現在位置を余計な外部システムにまで教えてしまうかもしれない。「許可しない」にすると地域固有のサービスが受けられないかも知れない。いろいろ迷っていると時間切れとなり、「位置情報の不明な利用者には、このサービスは提供できません」と断られ、動作終了となる。

 その他の場合、利用者が「許可する」を選んでも「許可しない」を選んでも、回答にしたがって、それなりのサービスが受けられることもある。

 しかしここであなたは疑問に思う。「そもそも現在位置をどうして知っているのだろう?」仮りに、携帯電話から位置情報を利用してよいかと聞かれるのは、21世紀初頭を生きる我々にとって仕方のないことだとしよう。しかし家庭の無線LANに接続している携帯音楽プレーヤまで、「位置情報を利用してよいですか?」と聞くのは何故なのだろうか。携帯音楽プレーヤの応用ソフトは、無線LANの位置を自信を持って知っている様子である。

 あなたは居間の固定型デスクトップパソコンのそばへ行き、検索エンジンに「天気予報」と入力してみる。すると検索結果トップに、あなた自身の住む市の4日間の天気予報が出てくる。検索エンジンはあなたのデスクトップパソコンの位置を知っている様子である。ここまで来てようやく、あなたにも事情が見えてくる。携帯電話の位置も、無線LANの位置も、デスクトップパソコンの位置もほぼすべてお見通しなのである。

*入力「天気予報」の検索結果は、デスクトップパソコンとプロバイダとの接続方式によっては、コンピュータのアドレスが毎回異なって位置推定ができない場合がある。



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