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  デル株式会社


科学者の眼(61)
駐車サービスの個性

  川合 慧 放送大学教授



 車を使って買い物をする場合,目的の店の駐車場が使えると都合がよい.売り場の近くなら買ったものの持ち運びも楽だし,「駐車場回し」のサービスが使える店もある.ただし駐車が無料ではなく,なにがしかの費用がかかる場合にはちょっと考えが必要になる.さらに,店舗付属の駐車場では,買い上げ額に応じた駐車料金のサービスがあるのが普通であり,状況が一段と複雑になる.このサービスは「何%引き」という形ではなく,「X円のお買上げでY時間まで無料」というものが多い.この形態のサービスについての損得勘定について考えてみよう.
  デパートA:2,000円で1時間無料
          3,000円で2時間無料
          20,000円で3時間無料
 この意味は,買い上げ額1,999円まではサービスなし,2,000円から2,999円までは1時間の無料サービス,3,000円から19,999円までは2時間のサービス,20,000円以上は3時間のサービス,ということである.サービス時間を越した場合は,通常のコインパーキングのように,1定時間ごとに1定額を負担することになる.
  デパートB:2,000円で1時間無料
          5,000円で2時間無料
          30,000円で4時間無料
 デパートAと比べると,2時間無料をゲットするための買い上げ額が2,000円も多い代わりに,最長時間が1時間長い.
  デパートC:2,000円で1時間半無料
          30,000円で2時間無料
          100,000円で3時間無料
 今度は最初の2,000円で(1時間ではなく)1時間半が無料となる.ところがもう30分伸ばすためには30,000円買わなければならず,3時間にするためには10万円が必要となる.
  いろいろな店舗での無料サービスの実例をネットで調べてみた結果を図に示す.横軸は5時間まで.縦軸は金額の幅が大きいので対数目盛となっている.たとえば,2,000円から2万円までの変化が,1万円から10万円までの変化と同じに表されている.


  この図を見ると,ほとんどは“2,000円で1時間,5,000円で2時間,30,000円で3時間”となっているが,いくつかの例外を見ることができる.
 ・最初は2,000円で1時間半と安そうだが,次の2時間は30,000円,3時間は100,000円と急激に高くしている例(赤い太線).高額商品が多い店だろうか.
 ・2時間から3時間にするのに2,000円しかかからない格安な例(オレンジ).日常品の購入が対象のように見える.
 ・2時間3,000円で3時間20,000円,あるいは4時間で30,000円と,他と比較すると安いもの(青い太線).

 駐車のサービス時間によって,その店の性格と意向が透けて見えるような気もする.

 

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